合理的な愚か者の好奇心

団塊おじさんの "見たぞ! 読んだぞ! 歩いたぞ!"

ウィーンフィルのニューイヤーコンサート

Newyearconcert 資産以外でセレブと呼ばれるにふさわしい定番の行動パターンと言えば、何を思い浮かべますか?
船による長期間の世界旅行、リヨンの三つ星レストランでの食事・・・・
自分とはあまりにかけ離れていることなので、思いつきませんが、他にもいろいろあるかもしれません。
そして、この正月、私はもうひとつの典型的な「セレブの正月の過ごし方」を知ることになりました。

それは毎年正月元旦恒例のウィーン楽友協会大ホールで行われるマチネのニューイヤーコンサートを飛行機に乗って、ウィーンまでわざわざ聞きに行くことなんです。
演奏は言わずと知れたウィーンフィルハーモニー管弦楽団
このコンサートの模様は毎年NHKで実況中継されてきたらしいのですが、私は今年はじめてこの演奏会を偶然テレビで見ることとなりました。
そこで感じたことです。

● まず、なぜ「セレブの証明」なのかという問題についてですが
このニューイヤーコンサートのチケットのお値段がおっそろしく高額なのであります。
その価格たるや、世界にニューイヤーコンサートあまたある中でもみなさんのあらゆる予想を凌駕するほど、非常識なほどに高額なんです。
年々上がっているらしいのですが、今年も深刻な世界不況はここだけ無関係であるかのごとく上昇して、「60万円」[E:sign03]だったそうなんです[E:sign03]
実際にかかる費用をちょっと計算してみますと、チケット代以外に往復の飛行機代とホテル代を加えれば、お一人様100万円[E:sign03] 夫婦で行けば200万円[E:sign03]は下らないと予測されます。
恐るべき金額です。

● 次に、会場のウィーン楽友協会大ホールですが、これがまたすばらしい[E:sign03]
Viennagakuyukyokai 写真で雰囲気がお伝えできるかどうか定かではありませんが、装飾や彫像、まばゆく光る金箔の乱舞で、「黄金のホール」という呼び名はまさにその通り、うそではありません。
不思議なことにこのニューイヤーコンサートは、コンサートの最初から最後まで、演奏中も客席は明るいままで暗くなりません。
おそらくこのキンキラキンの豪華ホールの景観を楽しみながらコンサートを聴くようにとの配慮からのことであろうと思われます。
加えて、NHKのカメラワークも見事で、豪華さを効果的に際だたせます。

● NHKでは、観客席も頻繁に映像に出てくるため、客層がかなり正確に把握できるのですが、これがまたおもしろい[E:sign03]
このコンサートの観客は、驚いたことにとにかく日本人が多いんです[E:sign03]
目の子で数えて、10人に1人は日本人だと思います。当然ながらこれらの日本人観客のほとんどが、200万円を苦もなく負担したと思われる夫婦連れです。お幸せなセレブのみなさんです。ひょっとすると、外交官や一流企業の現地駐在員たちもいそうです。
一部和服のおばさんたちの3人組がいい席に座っていたのが、テレビでは目に付きましたが、彼女たちの亭主達は、日本でさびしい正月をすごしているのでありましょうか[E:sign02]  それとも、早くに資産家の夫と死に別れたかわいそうなウィドウのみなさんでありましょうや[E:sign02]
興味は尽きません。
舞台に最も近い二階席には、新生銀行会長である八城政基氏が、ちゃっかりご夫婦でいらっしゃるのが再三テレビに写ってしまっていましたね。

ところで東京のニューイヤーコンサートで一番人気のコンサートはご存じでしょうか[E:sign02]
そうです[E:sign03] 言わずと知れた、上野にある東京文化会館、正月三日恒例の東京都交響楽団によるニューイヤーコンサートです。
今年の分もあっという間に売り切れる人気[E:sign03] なによりもS席が、たったの6,000円[E:sign03]
ウィーンの1/100のリーズナブルなお値段です

Endoukanako[追伸]
東京都交響楽団と言えば、主席第二ヴァイオリンであらせられる遠藤香奈子女史をご存じでしょうか。いつもニコニコ、愛くるしい笑顔の圧倒的な人気ヴァイオリニストです。
私が都響のコンサートを聴くのは、彼女の笑顔を見るのが楽しみのひとつなんですが、この遠藤女史、今年は海外研修に選抜されたため、今回のニューイヤーコンサートには参加しておりません。
残念でした・・・・