合理的な愚か者の好奇心

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亡国のPCR検査

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昨日(5/4)の政府の新型コロナウィルス専門家会議では、緊急事態宣言を31日まで延長することを表明したものの、現在いろいろなところで国民的な議論が生じている「PCR検査が致命的に遅れつつある問題」については、はっきりしない答弁に終始したようである。明確な資料として提出された唯一の資料「人口10万人当たりのPCR検査数の海外比較」(別表)によれば、日本の187件に対して、主要国は数千件で主要国と比較しての対応の遅れは歴然としている。
これに対する専門家会議の説明の主なものは、日本の検査を担ってきた公的機関が新型病原体の大量検査を想定されていなかったこと、専門家会議の設置が2月下旬と武漢発生以来1か月以上と大幅に遅れたこと、その結果大都市部を中心に検査数が急増したこと。帰国者・接触者相談センターを担当する保健所の業務が早い段階でオーバーフローしたこと。地方衛生研究所の人材不足、マスクや防護服の調達の遅れ。なによりも、当初から再三指摘されてきた民間検査機関の積極的な活用をしてこなかった理由については、専門家会議尾身委員長からは、「本気でやる気がなかったわけでは全くない」と意味不明な説明に終始し、何らかの忖度をうかがわせるもの。専門委員会が遅すぎたと指摘されつつ発足以来はや3か月。PCRの進行状況はかくの如くあまりに遅い。このままでは緊急事態の解除を判断するべき効果的な抗体検査の仕組みづくりに致命的な影響を与えることが懸念される。
こうした非常事態には、本来批判は飲み込み、無理して国民一丸となって応援すべき課題であることは十分承知しているものの、昨日の記者会見ではあまりの説明のつたなさに厳しい質問が多数飛んだようである。とりわけ、最も厳しい論調で迫った新聞社が日経電子版というのが象徴的である。
この問題は、決して政治的課題でも何でもなく、事務的に煩雑なだけで手をこまねいていると日々国力を損なっていき亡国に至る国家課題である。せめて優秀な人材を集中投与することを望む。簡単なことである。