合理的な愚か者の好奇心

団塊おじさんの "見たぞ! 読んだぞ! 歩いたぞ!"

UBER eats 革命とコロナ

今回のコロナ騒ぎに伴うゴールデンウィークの巣ごもりであるが、10日経ってあらためて人跡まばらな表通りをマンションから見続けていると、はっきりとした変化に気が付く。それは若い男性によって自転車(バイクもありだそうな)を乗り回すことによって届けられる食事--すなわちデリバリーサービスが爆発的に増えたような気がする。体感で5倍くらいに増えたような気がする。
聞くところによると、1件400~500円の稼ぎだそうな。稼働率が高くなり、走行コースが合理的になると、結構な稼ぎになるらしい。
システムとしてもう少し成熟すれば、働きたいときに働き、休みたいときに休み、遊びたいときに休む理想の労働形態が可能となるかも。いいことだらけらしい。
私が考えたのは、このサービスはデリバリーだけではもったいないということである。もっとニーズに合わせて提供サービスを増やしていったらいいと思う。すなわち、今や担い手不足に苦労している介護サービスなどどうだろう。給食サービスはお手の物であるし、これにさまざまな介護サービス、たとえば、掃除、入浴、病院付き添い、チケットサービスなどをスルーさせて、マッチングできそうな気がするのだが・・。
サービスの担い手側の供給が(システム次第だが)潤沢なだけに、実現性はありそうな気がする。

亡国のPCR検査

f:id:fwkn9505kochan:20200505164329j:plain

昨日(5/4)の政府の新型コロナウィルス専門家会議では、緊急事態宣言を31日まで延長することを表明したものの、現在いろいろなところで国民的な議論が生じている「PCR検査が致命的に遅れつつある問題」については、はっきりしない答弁に終始したようである。明確な資料として提出された唯一の資料「人口10万人当たりのPCR検査数の海外比較」(別表)によれば、日本の187件に対して、主要国は数千件で主要国と比較しての対応の遅れは歴然としている。
これに対する専門家会議の説明の主なものは、日本の検査を担ってきた公的機関が新型病原体の大量検査を想定されていなかったこと、専門家会議の設置が2月下旬と武漢発生以来1か月以上と大幅に遅れたこと、その結果大都市部を中心に検査数が急増したこと。帰国者・接触者相談センターを担当する保健所の業務が早い段階でオーバーフローしたこと。地方衛生研究所の人材不足、マスクや防護服の調達の遅れ。なによりも、当初から再三指摘されてきた民間検査機関の積極的な活用をしてこなかった理由については、専門家会議尾身委員長からは、「本気でやる気がなかったわけでは全くない」と意味不明な説明に終始し、何らかの忖度をうかがわせるもの。専門委員会が遅すぎたと指摘されつつ発足以来はや3か月。PCRの進行状況はかくの如くあまりに遅い。このままでは緊急事態の解除を判断するべき効果的な抗体検査の仕組みづくりに致命的な影響を与えることが懸念される。
こうした非常事態には、本来批判は飲み込み、無理して国民一丸となって応援すべき課題であることは十分承知しているものの、昨日の記者会見ではあまりの説明のつたなさに厳しい質問が多数飛んだようである。とりわけ、最も厳しい論調で迫った新聞社が日経電子版というのが象徴的である。
この問題は、決して政治的課題でも何でもなく、事務的に煩雑なだけで手をこまねいていると日々国力を損なっていき亡国に至る国家課題である。せめて優秀な人材を集中投与することを望む。簡単なことである。

  

コロナ禍に見る神の意志

私はどういうわけか、いい年をしてお恥ずかしい限りなんですが、天変地異が起きるたびに「神の意志」を感じがちな多感な感性を持ち合わせておりまして、もっと気取って言えば「神秘主義の傾向に陥りがち」な性質を持っております。
従いまして、去年から今年にかけての恐ろしいほどの豪雨による風水害は、きっとどうしても改めない人間どもの自然破壊に、神の意志で鉄槌が下されているように思えてならないのです。

そして、そして、今回のコロナウィルス禍であります。
人間界の飽食と過剰な繁栄、一方で食糧不足。気が付いたら、若者が少ない、いびつな都市ばかりとなってしまいました。神の意志としては、ここいらへんで多すぎる人口を間引いて適正な年齢分布に戻したいと思い始めたのではなかろうか?

さてさて、ここで諸兄。かつて全世界の人類20億人のうち、なんと1億人が死んだ「スペイン風邪」、あれはいつだったと思いますや? なんと! 第一次世界大戦後の1918年3月から1919年末ころ。ほとんどぴったり、100年前のことなのであります。

これはただの偶然なのでありましょうや? 偶然以前のある種の特別の意味を我々は感じるべきなのではないかと考える次第です。
ようやく「はてな」ブログが軌道に乗り始めましたので、お待たせしました。ボチボチ再開します。

合理的な愚か者の「引越し」について

今般、ブログ運営サイト「nifty」が事業内容の大幅見直しに伴い、小生の16年にわたって、お馴染みの「合理的な愚か者の好奇心」を引っ越さざるを得ない仕儀と相成りました。そこで、我が国無料ブログサイトの老舗、はてなブログに移転することに決断いたしました。

突然のことで大変恐縮ではございますが、隅から隅までズズズィーと変わらずのお引き立て願います。

2019紅白歌合戦を振り返る

2019紅白歌合戦が喧騒の中で終わりました。個別の企画的には、私はかなりの善戦だったと思いましたよ。しかしながら、結果としては、NHKが力を入れた後半の視聴率は残念ながら37.3%。前年対比▽4.2%で史上最低だったそうな。演歌歌手陣を大きく変えたり、今年の3大ヒット曲のKingGnueや髭男爵菅田将暉を抜擢して使い切ったり、見るべき努力はあったものの、ジャニーズなかんずくジャニー喜多川への行き過ぎたオマージュは見るに堪えなかった。心ある紅白関係者の血のにじむ努力を無残に無にしたうえに、歌も踊りも下手な大量のジャニーズクローンの登場により、番組自体を素人の学芸会的なものにした責任は一体だれがとるのだろうか? 
功罪の評価は、誰に言わせても相当一致すると思われるので、NHK関係者の真剣な反省を願わずにいられない。
それでは恒例により個別のパフォーマンスの勝手な評価を順不同で申し述べたい。

[E:#x1F3B5] aiko は あいみょん と間違えたのでは? 今回紅白で、最大の謎は、「なぜあいみょんが選ばれなかったのか」という問題である。私の周辺の心ある紅白ファンは、ほぼ全員指摘していた問題点である。蛇足ではあるが、aikoの歌唱力がずいぶん劣化したと感じたのは、私だけでございましょうか?

[E:#x1F3B5] 紅組一番手 Foolin のバックで紅組ほぼ全員が踊って歌っていたが、ほとんどの歌手が雑に覚えている様子だったのに、MISIAだけが、振りも歌もほぼ完ぺきだったのは見事。MISIAの紅白に対する気合の入り方がわかって、興味深かった。

[E:#x1F3B5] 綾瀬はるかの天然ボケをどう処理するかについては、前回の大失敗に懲りて対処法が司会陣に徹底されていた。すなわち、そもそもギャグではなくて、天然であるので、真に受けてリアクションをとることはあきらめて、ほとんどスルーしてしまうのである。私の見た限りでは、おおむね成功しているように感じられた。

[E:#x1F3B5] ジャニーズジュニアを別格扱いにして、ジャニー喜多川のオマージュをいやというほど見せられたのは、不快であり、公平であるべき紅白の「いつもの悪い癖」が出たというべきであろう。

[E:#x1F3B5] 島津亜矢については、これまで何度も指摘しているが、今回もセットが貧弱でピアノのみ、何より歌が実質ワンコーラスと短い。「糸」の選曲自体に文句はないが、すっかり「紅白でカバーしか歌わない歌手」のレッテルを張らされたのは彼女にとってあまりにも不幸なことであるし、不公平な仕打ちである。なお、それでは何が島津亜矢の歌うべき歌だったかと問われれば、ひとつ「帰らんちゃよか」ふたつ「流れて津軽」と、いくつでも出てくる。紅白の大トリで大紙吹雪の中で颯爽と北島三郎みたいに紙吹雪を鼻につまらせながら「流れて津軽」を歌う島津亜矢を見てみたいものだと思うのは、私ひとりでありましょうや?

[E:#x1F3B5] ビートたけしはすっかり好々爺と堕しており、見ていられなかった。これがNHKの圧力というものか、はたまたフランスのレジオンドヌール勲章の影響か。かつて数十年前、たけしがあの「
徹子の部屋」年末特別番組で、おしりを丸出しにしたのは、遠い昔のまぼろしか?
なお、私うっかりしていて存じませんでしたが、北野武氏は去年旭日小綬章をめでたく受賞しているそうです。勲章に負けたか、たけし[E:#x2757][E:#x2757]
しかし、懲役6月執行猶予2年のいわば前科のある者が旭日勲章を受けたのは、あの全共闘世代でもほとんど聞いたことのない話であり、ご同慶の至りであります。

ビートたけし氏についてはもうひとつ。彼が歌った「浅草キッド」に文句はないが、バックのセットと衣装は、ありゃなんだ?
青いざっくりしたセーターに、黒のダボダボズボン。スタイリストは満点の選択だが、この衣装とバックの真っ暗は、この直後になんと今を時めく菅田将暉君ともろにかぶりまくりなんですわ。お二人には、気の毒でしたね。

[E:#x1F3B5] King Gnue は圧巻[E:#x2757][E:#x2757] 「白日」は素晴らしい[E:#x2757]歌詞が最高。期待通り。

[E:#x1F3B5] 福山雅治はデビュー30周年だそうで、3曲のメドレー。あざとくね。

[E:#x1F3B5] 五木ひろし、去年と同じ「VIVA・LA・VIDA」を歌ったが、なんでわざわざ滅多に歌わない歌を歌うの?
彼にはれっきとしたカラオケで歌われる歌、ベストワン!!「夜明けのブルース」という持ち歌があるんですよ。おそらくなんか大人の事情があるんだろうな。

[E:#x1F3B5] 椎名林檎さん、あなたは確か五輪の「四式典総合プランニングチーム」の委員でしたよね。ああ。それなのに、それなのに、なんで最大の広報チャンスだった紅白で一言も発言しなかったの? これまた何か大人の事情があるのかしら? 私は林檎ちゃんの反体制的なにおいのするよなしないよな、あわいの中のさじ加減を高く評価して開会式のプロデューサーに最適と思い、密かに応援していたわけですが、やっぱり野村萬斎とは合わなかったのかもねぇ。
そんなことより、オリンピックをきっかけとした貴女の権力へのすりよりと申しましょうか、右傾化と申しましょうか、貴女のコアなファンの一部で顰蹙を買いつつあることを忘れないでくださいね。

[E:#x1F3B5] KISSについては、ここで迫力不足をあげつらってもほとんど意味はないでしょう。ああいう形ではっきりとした下り坂のかつてのロックスターをフィーチャーするのは、残酷すぎます。最後に壊されたギターがかわいそうだったねぇ。YOSHIKIYOSHIKIだよ。あんまり楽な商売するなよな。してもいいけれど、ロックの名のもとにするなよな[E:#x2757]

[E:#x1F3B5] AI美空ひばり については、つまらないお遊びでしかない。NHKの企画会議の藁をもつかもうとする緊張感がしのばれる。

[E:#x1F3B5] 全体に米津玄師が多すぎ。かつてもこの程度の占有状況はあったものの、最後のダメ押しでインタビューまでするのはいかがなものか?

[E:#x1F3B5]  MISIAの六色レインボーは、LGBTQを表現したもののようだが、説明してほしかった。しかし、ラストで全員が六色レインボー旗を振っていたのは、好感が持てた。氷川きよしの限界突破熱演SPともども「LGBTQ元年」を印象付けて、オリンピックイアーらしかった。

 

馬上の若武者

久しぶりに時間厳守子さんの「雑学通信」からの転載です。
他人の転載をしている時間があるならば、自分の記事を書け、とのお叱りが聞こえるような気がいたしますが、まあまあそう仰らずに、お読みください。かっこいいですよ~[E:#x2757][E:#x2757]
私は、この文章をすべての「ちょっとくたびれたシニア」に捧げます。では、以下転載です。

井筒俊彦全集第一巻「アラビア哲学」(慶応義塾大学出版会)にはさ
みこまれている月報第1号(2013年9月)に掲載されている中沢
新一氏(宗教史学者)の文章「馬上の
若武者」で以下のような感動的な
一節に遭遇したので紹介させていただく。ここで中沢氏は井筒俊彦
「騎士」として讃えているのだが、自分自身の自慢も少ししている。
しかし、それはどうでもいいのであって、筆者はこの一節を「老い」
というものを考えるにあたってのヒントとしたいと思うのである。

「騎士はこの世の常識に逆らって、苦しみながら、真理の源泉に接近
してい
こうとする。その泉に触れ、泉の水を飲んだ者は、原初の意味
を喪失し、歪み、劣化してしまった世界を、もう一度よみがえらせ、
若返らせる力を与えられる。騎士とは世界を初期化しようとする探究
者の呼び名であるが、泉の水に触れんことを求めているうちに、自分
自身が劣化しない存在であることを保ち続けることができる。それゆ
えに騎士はたとえこの世で齢を重ねたとしても、いつまでも「馬上の
若武者」なのであり、それが「青春 juvénilité」の原義である。」

King Gnu にご注目 !!!

King Gnu というバンドがあります。「キング ヌー」と発音いたします。
日本の4人組ツインヴォーカルバンド、正確な分類としては「ミクスチャー・ロック、オールタナティブ・ロック」というそうですが、まぁ簡単に言えば「現代音楽」でいいでしょう。
発足は2013年といいますから、6年のキャリアがあるわけですが、私のアンテナには今年まで不思議なことに全く引っ掛かりませんでした。このバンドの特徴は、ちょっと聞いてみればわかります。他のバンドを威圧するほどのびっくりするほどの豊かな音楽的センスと、なにより世界標準とも言うべき楽器演奏のスキルの高さです。とりわけ第一ギターを聞いてみてください。今まで聞いたこともないような驚くべき超絶技法です。ちょうど50年前、「Rideen」で世界の音楽シーンに颯爽と登場したYMOを彷彿とさせます。聞くところによると、東京芸大音楽学科の出身者が2人いるそうですので、さもありなんです。
諸兄にしてみれば、「一体、どこへ行けば聞けるんじゃい[E:#x2757][E:#x2757]」と言いたいところでしょうが、お立合い[E:#x2757]
なんと、米津玄師もサザンも欠場の今年の紅白歌合戦に選ばれました。今年の紅白、唯一の見どころでございます。
まぁ、聞いてやってください。ぶっ飛びますよ[E:#x2757]