合理的な愚か者の好奇心

団塊おじさんの "見たぞ! 読んだぞ! 歩いたぞ!"

2019紅白歌合戦を振り返る

2019紅白歌合戦が喧騒の中で終わりました。個別の企画的には、私はかなりの善戦だったと思いましたよ。しかしながら、結果としては、NHKが力を入れた後半の視聴率は残念ながら37.3%。前年対比▽4.2%で史上最低だったそうな。演歌歌手陣を大きく変えたり、今年の3大ヒット曲のKingGnueや髭男爵菅田将暉を抜擢して使い切ったり、見るべき努力はあったものの、ジャニーズなかんずくジャニー喜多川への行き過ぎたオマージュは見るに堪えなかった。心ある紅白関係者の血のにじむ努力を無残に無にしたうえに、歌も踊りも下手な大量のジャニーズクローンの登場により、番組自体を素人の学芸会的なものにした責任は一体だれがとるのだろうか? 
功罪の評価は、誰に言わせても相当一致すると思われるので、NHK関係者の真剣な反省を願わずにいられない。
それでは恒例により個別のパフォーマンスの勝手な評価を順不同で申し述べたい。

[E:#x1F3B5] aiko は あいみょん と間違えたのでは? 今回紅白で、最大の謎は、「なぜあいみょんが選ばれなかったのか」という問題である。私の周辺の心ある紅白ファンは、ほぼ全員指摘していた問題点である。蛇足ではあるが、aikoの歌唱力がずいぶん劣化したと感じたのは、私だけでございましょうか?

[E:#x1F3B5] 紅組一番手 Foolin のバックで紅組ほぼ全員が踊って歌っていたが、ほとんどの歌手が雑に覚えている様子だったのに、MISIAだけが、振りも歌もほぼ完ぺきだったのは見事。MISIAの紅白に対する気合の入り方がわかって、興味深かった。

[E:#x1F3B5] 綾瀬はるかの天然ボケをどう処理するかについては、前回の大失敗に懲りて対処法が司会陣に徹底されていた。すなわち、そもそもギャグではなくて、天然であるので、真に受けてリアクションをとることはあきらめて、ほとんどスルーしてしまうのである。私の見た限りでは、おおむね成功しているように感じられた。

[E:#x1F3B5] ジャニーズジュニアを別格扱いにして、ジャニー喜多川のオマージュをいやというほど見せられたのは、不快であり、公平であるべき紅白の「いつもの悪い癖」が出たというべきであろう。

[E:#x1F3B5] 島津亜矢については、これまで何度も指摘しているが、今回もセットが貧弱でピアノのみ、何より歌が実質ワンコーラスと短い。「糸」の選曲自体に文句はないが、すっかり「紅白でカバーしか歌わない歌手」のレッテルを張らされたのは彼女にとってあまりにも不幸なことであるし、不公平な仕打ちである。なお、それでは何が島津亜矢の歌うべき歌だったかと問われれば、ひとつ「帰らんちゃよか」ふたつ「流れて津軽」と、いくつでも出てくる。紅白の大トリで大紙吹雪の中で颯爽と北島三郎みたいに紙吹雪を鼻につまらせながら「流れて津軽」を歌う島津亜矢を見てみたいものだと思うのは、私ひとりでありましょうや?

[E:#x1F3B5] ビートたけしはすっかり好々爺と堕しており、見ていられなかった。これがNHKの圧力というものか、はたまたフランスのレジオンドヌール勲章の影響か。かつて数十年前、たけしがあの「
徹子の部屋」年末特別番組で、おしりを丸出しにしたのは、遠い昔のまぼろしか?
なお、私うっかりしていて存じませんでしたが、北野武氏は去年旭日小綬章をめでたく受賞しているそうです。勲章に負けたか、たけし[E:#x2757][E:#x2757]
しかし、懲役6月執行猶予2年のいわば前科のある者が旭日勲章を受けたのは、あの全共闘世代でもほとんど聞いたことのない話であり、ご同慶の至りであります。

ビートたけし氏についてはもうひとつ。彼が歌った「浅草キッド」に文句はないが、バックのセットと衣装は、ありゃなんだ?
青いざっくりしたセーターに、黒のダボダボズボン。スタイリストは満点の選択だが、この衣装とバックの真っ暗は、この直後になんと今を時めく菅田将暉君ともろにかぶりまくりなんですわ。お二人には、気の毒でしたね。

[E:#x1F3B5] King Gnue は圧巻[E:#x2757][E:#x2757] 「白日」は素晴らしい[E:#x2757]歌詞が最高。期待通り。

[E:#x1F3B5] 福山雅治はデビュー30周年だそうで、3曲のメドレー。あざとくね。

[E:#x1F3B5] 五木ひろし、去年と同じ「VIVA・LA・VIDA」を歌ったが、なんでわざわざ滅多に歌わない歌を歌うの?
彼にはれっきとしたカラオケで歌われる歌、ベストワン!!「夜明けのブルース」という持ち歌があるんですよ。おそらくなんか大人の事情があるんだろうな。

[E:#x1F3B5] 椎名林檎さん、あなたは確か五輪の「四式典総合プランニングチーム」の委員でしたよね。ああ。それなのに、それなのに、なんで最大の広報チャンスだった紅白で一言も発言しなかったの? これまた何か大人の事情があるのかしら? 私は林檎ちゃんの反体制的なにおいのするよなしないよな、あわいの中のさじ加減を高く評価して開会式のプロデューサーに最適と思い、密かに応援していたわけですが、やっぱり野村萬斎とは合わなかったのかもねぇ。
そんなことより、オリンピックをきっかけとした貴女の権力へのすりよりと申しましょうか、右傾化と申しましょうか、貴女のコアなファンの一部で顰蹙を買いつつあることを忘れないでくださいね。

[E:#x1F3B5] KISSについては、ここで迫力不足をあげつらってもほとんど意味はないでしょう。ああいう形ではっきりとした下り坂のかつてのロックスターをフィーチャーするのは、残酷すぎます。最後に壊されたギターがかわいそうだったねぇ。YOSHIKIYOSHIKIだよ。あんまり楽な商売するなよな。してもいいけれど、ロックの名のもとにするなよな[E:#x2757]

[E:#x1F3B5] AI美空ひばり については、つまらないお遊びでしかない。NHKの企画会議の藁をもつかもうとする緊張感がしのばれる。

[E:#x1F3B5] 全体に米津玄師が多すぎ。かつてもこの程度の占有状況はあったものの、最後のダメ押しでインタビューまでするのはいかがなものか?

[E:#x1F3B5]  MISIAの六色レインボーは、LGBTQを表現したもののようだが、説明してほしかった。しかし、ラストで全員が六色レインボー旗を振っていたのは、好感が持てた。氷川きよしの限界突破熱演SPともども「LGBTQ元年」を印象付けて、オリンピックイアーらしかった。