合理的な愚か者の好奇心

団塊おじさんの "見たぞ! 読んだぞ! 歩いたぞ!"

メジャーリーグ最大の謎!!

大変しつこくて恐縮ですが、もう一回だけ番外編として「メジャーリーグ七不思議」にお付合いください。
これぞ正真正銘「天下無敵の謎」と私が確信している、どう考えても合理的な説明がつかない驚愕の事実をご紹介させてください。
それは米国のメジャーリーグの過去一世紀を越えるワールドシリーズ101回の対戦において、まだ「3連敗の後の4連勝による大逆転」が、どういうわけかただの一回もないという事実についてなんです。

まず、「3連敗の後の4連勝」の確率を計算することから初めてみましょう。
仮に、全く互角のチーム同士の対戦を仮定すると、
あるチームがワールドシリーズの最初の3試合を3連敗する確率は、
1/2の3乗×2=1/4 となります。(×2とするのは、相手が3連敗する場合も含まれてしまうため補正するためです)
次に、その後4連勝する確率は、同様に
1/2の4乗×2=1/8 となります。
したがって、両方が、一緒に発生する確率は、
1/4×1/8=1/32
すなわち、なんと、
32年に1回は当然起きるはずなのであります!!
したがって、米国ワールドシリーズは、堂々101年の歴史でありますから、もう3回は起きていてもおかしくないはずであるにもかかわらず、まだ1回もないのです。これを奇跡といわずして、何を奇跡と呼びましょうや。

一方、これがわが国のプロ野球の日本シリーズではどうなっているのかを調べてみました。
なんとなんと!!これが驚いたことに、3回もあるんですよ!!
日本シリーズの歴史は、米国のワールドシリーズの約半分の56年の歴史しかないにもかかわらず、既に3回もあるのですよ!!

まず第1回は、日本シリーズ制が発足した1950年からわずか9年目の1958年、西鉄ライオンズ読売ジャイアンツの対戦で、野武士集団西鉄があっさりと達成してしまいました。
メジャーリーグが百年かかってもできないでいる事を、西鉄ライオンズはわずか9回目の日本シリーズで実現してしまったわけなんですよ!!
当時、西鉄の三原監督が「神様、仏様、稲尾様」と唱えたと伝えられているように、鉄腕稲尾が、後半5連投して奇跡の逆転勝利をやりとげたのであります。
ちなみに、相手方巨人の敗戦投手たちを見てみますと、藤田元司、サブマリン大友、懸河のドロップの堀内庄といった、あまりのなつかしさに涙が出そうになるような名投手たちの名前が並びます。

2回目は、1986年、これも奇しくも同じ西武ライオンズがやりました。(西武が西鉄時代を含めて2回やっている事になります)相手は、広島カープ。この時の勝利投手は、工藤・松沼博・渡辺久信です。

3回目は、そのわずか3年後の1989年、巨人対近鉄
巨人3連敗目の近鉄の勝利投手加藤哲のお立ち台インタビューでの歴史的大失言「巨人はパリーグの最下位ロッテより弱い!!」をきっかけに、阿修羅のごとく激怒した巨人ナインの怒涛の4連勝を呼び込んでしまった例のあの年です。
いずれも、ドラマチックで歴史的であります。感動がよみがえります。

結論から言えば、統計学的確率で考えると、シリーズの逆転4連勝については、米国のワールドシリーズが異常に少なく、日本シリーズは異常に多いという結果になります。
これも国民性や文化の違いとして、文化人類学的に考察してみますと、米国人の特性としては、あきらめが早く、3連敗したらギブアップしてしまいがちなのに対して、日本人は最後の一人まであきらめないという国民性を持つということなのでありましょう・・・