合理的な愚か者の好奇心

団塊おじさんの "見たぞ! 読んだぞ! 歩いたぞ!"

「バレエ」を見ました

生まれて初めて「バレエ」なるものを見ました。自分の意志では一生涯見るはずのないものだったでしょう。いい経験をしました。
場所は「東京文化会館」、演目は「眠れる森の美女」、出演は「東京バレエ団」、振付・演出は「ウラジーミル・マラーホフ」です。

Sdsc00385 何しろ私は完全無欠の門外漢ですから、相当の勘違いである可能性はあるものの、とりあえず率直な感想を恐れずに申しあげます。

まず第一に、気がつくことは客層が圧倒的に女性に偏っていることです。
今は、美術館にしても博物館にしても、そして映画館にしても女性の観客が圧倒的であることは、常識なのでありますが、それにしてもバレエの場合は男女比にすさまじい差があります。概数で申し上げて、9:1 といっても間違いではないでしょう。
まるで、宝塚の男女比なのです。

驚いたことの二番目は、掛け声がかかることです。
まるで歌舞伎座で、いいタイミングで「成駒屋!!」なんて掛け声がかかりますが、あれと全く同じような感じでタイミングを計って、掛け声がかかるのです。
叫んでいる言葉の内容は、残念ながら聞き取れませんが、これらの掛け声によって踊り子たちの踊りが、それとわかるほど活気付くのが感じられます。
何より不思議なのは、この手の掛け声は観客の九割を占める女性からは決して発せられません。全て一割の男性が発しているのです。おもしろいでしょう !!!

S1_098 私が驚いたことの最後は、フラメンコとの共通点です。
私が昨年スペインに行った時に、フラメンコなるものを、これまた生まれて初めて見たのですが、このフラメンコとバレエが無視し得ないほどの共通点を持っているのです。
「同じ舞踊であるゆえ、共通点があるのは当然だ」などと言われては実も蓋もないんですが、具体的に申します。
最大の共通点はプロットと踊りの関連性の希薄さなんです。声を発しないでプロットを伝える以上当然なのですが、最初から詳細を表現しようなどという意志は、両者ともないようです。両者ともに、基本的にそれぞれの踊り子が、プロットをある程度離れることは承知で、基本的にひとりづつ交代に自分の個性的な踊りを、能力と技術の全てを使って踊りきることによって、それぞれお互いに競い合っている様子なのです。
そして、一人づつが踊り終わるたびに、観客からは率直な評価の拍手や掛け声が掛かるのです。そうです、掛け声が最も掛かるタイミングが、このそれぞれが踊り終えた時なのです。個性的で難易度の高い踊りであればあるほど、拍手も大きく掛け声もたくさんかかるのです。
このタイミングと掛け声の乗りは、バレエとフラメンコで全く共通だと思いました。

興味深いでしょう !!!