合理的な愚か者の好奇心

団塊おじさんの "見たぞ! 読んだぞ! 歩いたぞ!"

相撲協会の秘密兵器「琴風」

三遊亭歌武蔵という落語家がいます。
後にも先にも彼しかいないだろうと言われている、なんと相撲取り出身の落語家です。
平成10年に真打昇進していますから、立派な中堅の落語家さんです。
この方のまくらで聞いた話で、大変興味深かった話を今回はご紹介します。
なにしろ相撲界出身ですので、信頼できる話だと思われます。

Skotokaze 三重県津市出身、佐渡ケ嶽部屋の元名大関琴風 豪規についてです。
この琴風、相撲も強かったのですが、歌もうまかったんです。'82には「まわり道」という歌のレコードを出して、堂々五十万枚のヒットを飛ばしておりますし、'84にはあの石川さゆりとデュエットで「東京めぐり愛」というレコードを出しています。

ということで、私の語りたいのは、もちろんそういうことではございません。
歌武蔵さんの落語のまくらに出てくる話では、この琴風、無茶苦茶勉強ができる子だったそうなんです。
歌武蔵の話では、おそらく相撲界発足以来、空前絶後の秀才だそうであります。
なにしろこの琴風、中学時代から土俵に上がっていたのですが、中学時代の通信簿の成績が、保健体育以外はオール五というのですから、半端じゃない。
ちなみに、琴風の通った中学校は、おそらく墨田区立両国中学校だと思われますが、この中学校は偶然現在の私の職場の隣であり、決して水準の低い中学校ではないことを証言しておきます。
さらに、歌武蔵の話はまだ続きまして、なんと[E:sign03]中学校から高校にかけて、この琴風[E:sign03]連続四期にわたって生徒会長を務めるという前人未踏の離れ業を演じているのだそうであります。よっぽどの人望があったものと推察されます。

参考のために、私の中学校の話もさせていただきましょう。
私の中学校は両国から比較的に近いこともあって、同級生には相撲取りが一人おりました。ところが、このお相撲さんのクラスメートは体はでかいのですが、なんと毎日教科書もカバンも持ってこないのです。出席率も50%なかったと思います。
私の場合そういう同級生を中学時代に持っていたので、オール五で生徒会長の同級生相撲取り[E:sign03]なんてインクレディブル[E:sign02]なんですよ。

そして、大関引退後も、尾車親方として尾車部屋を率いて後進の指導にあたり、相撲協会でもトントン拍子で順調に委員にまであがったのです。朝青龍や麻薬問題を始め、問題頻発の日本相撲協会、そして人材枯渇の相撲協会にとって、最後は尾車親方こそが、瀕死の相撲界を救える最終秘密兵器だという評判が着実に広がり始めていたところなのであります。

あぁ、まさにその大事なときに、よりによって尾車部屋若麒麟の馬鹿者が[E:sign03]大麻所持で捕まってしまった顛末はご承知の通りであります。
結果は、尾車親方は二階級降格の処分。

ひょっとすると、この経過は日本相撲協会を滅ぼすかもしれないきわめて危険な道に通じているような気がします。