合理的な愚か者の好奇心

団塊おじさんの "見たぞ! 読んだぞ! 歩いたぞ!"

もう一度だけ池田屋事件

NHK大河ドラマ新選組!」ファンの皆さん、「ねこづらどき」ほぼ日刊イトイ新聞『新選組!』withほぼ日テレビガイドも是非見てください。「新選組!」の隅々に至るまで、愛情あふれるまなざしで分析しています。 池田屋事件の視聴率もついに17%に達せず、先週の視聴率ベスト10には残念ながら入りませんでしたが、糸井重里さんをはじめ、これだけ知的で熱烈なファンを持った三谷幸喜さんは、つくづく幸せなライターだと思います。 さて、その「ほぼ日テレビガイド」に触発されて、しつこくて申し訳ありませんが、もう一回だけ、「新選組!」の池田屋事件を語りたいと思います。 1.桂小五郎の不思議な行動 桂は、事件当日、日中一度だけ池田屋を訪ねていますが、すぐに長州藩邸に帰ってしまいます。 その後、その日の夜10時頃と思われる新選組のご用改めに至るまで、桂は池田屋を訪れていません。 ドラマでは、池田屋捨助が踊ったはずみに、桂の袴に酒をこぼしたため、桂が藩邸に帰ったことになっていますが、こうした無理な設定をドラマでせざるを得ないほど、桂の池田屋事件当日の行動は不可解である。 古高俊太郎が新選組に拉致され、拷問を受けているらしいという情報は、当然、桂には既に入っていただろうし、新選組とのトラブルを予想して藩邸から外へ出なかったのではないかと推測も出来る。 なお、桂小五郎は、この時の行動をはじめ、幾多の絶体絶命の危機を運命的に逃げ延びきって、維新の元勲となったことから、「逃げの桂」ともあだ名されている。 ところで、桂の彼女の幾松を演じる菊川怜がその後なかなか登場してこないが、どうなっているのだろうか? 確かこれまでに1~2回ほんの1シーンだけ登場したような気がするが、視聴者から相当に不評なのではあるまいか?心配です。 2.沖田総司の剣はやっぱりすごい! 「ほぼ日テレビガイド」の議論を読んで、再度改めてビデオで池田屋における沖田の剣裁きを見直してみましたが、確かにご指摘の通り、すごい!の一言である。 手練の剣士らしく、刀裁きは巧妙に手首を効かして最短距離を移動し、それでいて一太刀で必殺の技術を駆使していることを感じさせる。 さらに、天然理心流独特の突きの多用も見せている。すごい!リアルだ!史実に忠実だ! 3.4人で多数に勝てた要因は鎖帷子 なぜ、たった4人の新選組が、30人の長州に勝てたかについては、いろいろ推理されているが、やはり最大の要因は、近藤勇以下新選組隊士が完全武装だったからだと、確信できた。 なにしろ、ヘルメットに鎖帷子の胴衣と肘当てである。 たとえば、ドラマの中で、近藤は長州藩士の剣を鎖帷子の肘当てで一旦受け止めておいて、相手の胴をやすやすと斬り払っている。 4.香取慎吾の「ご用改めである!」 池田屋事件の数ある見所のうちの白眉は、なんと言っても近藤勇の名セリフ「ご用改めである!手向かいすれば容赦なく斬り捨てる!」の迫力である。 なにしろ、近藤は長州の不逞浪士達に対するこのセリフ一発で、歴史の舞台に颯爽と躍り出たわけである。 かつて、幾多の近藤勇を演じた役者達は、低く強くあるいは胴間声で、圧倒的な数の敵に向かってものともせず、震え上がらせてきたのであります。 一方、今回の香取君は、きわめてリアルである。これまでのような、敵に対して殺意を潜ませて威嚇する勇気と言うよりも、「京の治安を守る」という崇高な使命感から自然にほとばしる声質と声量を感じさせる。すなわち、「これまで演じられてきたような低音の胴間声ではない」という意味で、新しい「ご用改め」を創ったと言える。 最後に 暑さますます厳しき折から、当ブログでは今回からデザインを一新してより涼しげなものに変えると共に、左欄にしゃれたデザインの時計(この時計はアメリカの専門サイトから持ち込みましたので、いわばアメリカ製です)を配置してみました。 少なからぬ方から、これまでのデザインに対して「暑苦しくて、字が見づらい」と厳しいご指摘を戴いておりましたことから、思い切って変更してみた次第です。 いかがでございましょうか・・・・