ｉＰｏｄとＭＤ
私は、いわゆる「あたらしもの好き」です。それも飛び切りです。とりわけ、電子手帳とか、ポータブル音響機器の新機種には目がありません。ヨドバシカメラに現物を見に行くのが、かけがえのない楽しみです。
そうしたポータブル音響機器のひとつで、最近爆発的にヒットしているのが、ｉＰｏｄです。何しろ町を歩いていても、地下鉄に乗っていても、ビックリするほど多くの若者（とりわけ若い女性）が、ｉＰｏｄに特有の特徴のある白いイヤホンを耳に付けて、かすかに首を揺らして拍子を取っている光景によく出会います。
ということで、今回、私はこらえきれずにこのｉＰｏｄｍｉｎｉなるものを購入してしまいました。正価21,800円、売れすぎて品薄のためか、それともメーカーから厳しい制約を課されているのか、天下のヨドバシカメラも１円も値引きしてくれませんでした。すっごい事ですよね。
私の所有するポータブル音響機器と言いますと、一方でＭＤも愛用しておりまして、現在の愛機はＳＨＡＲＰのＭＤ－ＤＰ７００であります。
というわけで、今回は、ｉＰｏｄｍｉｎｉとＳＨＡＲＰのＭＤ、どちらがすごいか、ポータブルプレーヤー同士の多角的な比較考量をしてみたいと思います。
１．デザイン
これは勝負になりません。ｉＰｏｄｍｉｎｉの圧勝です。写真で見て頂いたとおりです。コメントの必要もないと思います。
２．価格
ｉＰｏｄｍｉｎｉとＭＤの比較と言うことであれば、ほぼ互角です。
３．音質
音声圧縮方式について言えば、ｉＰｏｄｍｉｎｉはＭＰ３、ＭＤはＡＴＲＡＣ３。
この勝負は、あまり差がないのではないかと予想していましたが、私のように耳の良くない者でもはっきりわかります。ＭＤの圧勝です。これは意外なほど差があります。
夜、ベットでクラシックを聴きたいとということであれば、文句なしにＭＤを選択すべきです。
４．重さ
ｉＰｏｄｍｉｎｉは１０３ｇ、ＭＤは９９ｇ。互角です。
５．充電持続時間
ＭＤは公称３１時間ですが、体感ではもっと持っているような気もします。要するに、充電についてはほとんどストレスを感じません。
一方、ｉＰｏｄｍｉｎｉは公称１８時間ですが、これはおそらく何かの間違いでしょう。体感持続時間は、せいぜい６時間くらいのものです。どうやら、音楽を聴いていなくても、ただ曲を記憶し続けるだけでも電池をかなり消耗しているようなのです。
なお、米国では、ｉＰｏｄの一部にバッテリーの消耗が早い不具合があるとして、カリフォルニア州の裁判所に提起された集団訴訟では、ｉＰｏｄが不具合を認めて、機械の交換や一台あたり５０ドルの返金などで原告と和解したとの報道が先月ありました。アップル社の負担は最大１０８億円だそうです。同じような事実は、日本でも十分ありそうです。
ということで、この件については、ＭＤの圧勝です。
６．曲ロードの容易性
ＭＤは、ご承知のように、ＣＤレンタル店に行って、アルバムであれば一枚３００円程度で借りてきて、我が家のＭＤプレーヤーで録音し、終わればまたＣＤレンタル店にＣＤを返却しにいかなければなりません。
ｉＰｏｄもレンタルＣＤを録音する場合には、状況は同じですが、録音時間はＭＤの１／１０以下でストレスがありません。
加えて、先週からサービスが開始されたｉＰｏｄＭｕｓｉｃＳｔｏｒｅを利用してオンラインで曲を購入すれば、ワンタッチで購入手続きが完了し、一瞬で曲のロードも可能です。
この件については、ｉＰｏｄｍｉｎｉの圧勝です。
７．レコード情報の入手
ｉＰｏｄはｉＴｕｎｅｓという入力ソフトが、相当素晴らしい出来で、ＣＤを入力するとほぼ同時にインターネットで自動的に、曲名・歌手名などの曲情報を容易に取り入れることが出来ます。
これに対して、ＭＤは、一曲づつ手動で、それもカタカナまたは英数字でしか入力できません。
これはｉＰｏｄの圧勝です。
８．曲数・容量
ｉＰｏｄｍｉｎｉは６Ｇで、１５００曲の容量があると言われております。ほとんどのご家庭の場合、家にあるＣＤを全て入力しても余りがあるはずです。
ＭＤの場合、生ＭＤ一枚で、高音質録音で最大８０分までです。（ＳＯＮＹのＨｉ－ＭＤは、この数倍の容量があります。）
これはｉＰｏｄｍｉｎｉの圧勝。
９．総評
結果的に、一進一退の好勝負ではありましたが、間違いなく言えることは、それぞれがかなり特徴のあるツールであり、評価項目によって勝負がはっきりしているものが多いことが、おわかり頂けると思います。
総じて言えるのは、音質や充電持続時間を重視するこだわり派の方にとってはＭＤ、とにかく音質よりも膨大なＣＤソースをひとつのアイテムにつっこんで手軽に聴きたいという行動派は、ｉＰｏｄｍｉｎｉということでしょうか。
なお、私の場合は、両者の長所を生かして、ＴＰＯによって使い分けるようにしております。
ご参考になりましたでしょうか・・・
