合理的な愚か者の好奇心

団塊おじさんの "見たぞ! 読んだぞ! 歩いたぞ!"

コードレス・ヘッドホンについて

ご同輩の皆さんには、もれなくご理解戴けると思いますが、どんな夫婦にも結婚前にはわからなかったいろいろな趣味の違いがあります。音楽の趣味や食べ物の嗜好をはじめとして、ピッタリ一致する夫婦などこの世の中には有り得ない、もしそんな夫婦がいるとすれば、「どちらかが無理をして、うそをついている!!」というのが、私の揺るぎない確信のひとつであります。

かように、夫婦というものは、無数の趣味の相違があって当然なのでありますが、我が家の場合は、とりわけ致命的な趣味の相違がひとつあります。
それは、TVのボリュームについての判断基準が大幅に異なることなのであります。夜、TVで音楽番組を見る時も、映画を見るときも、どの程度の大きさの音量で聞くのが心地よいかについて判断する際に、夫婦それぞれで致命的に大きな相違があるのです。
すなわち、私はマンションの隣家にある程度音が漏れるのはやむをえないとして、大音量で聞きたがり、妻は少しでも隣家に音が漏れてはならないとして、極力小音量にしようとします。
この問題についての二人の間の考え方の基準の違いは、事が毎日発生する性質の問題であるだけに、妥協しがたい大変シアリアスな部分を含んでいるわけです。
こうしたフリクションの下で、二人がうまく折り合いを付けていくためにどうすればよいかと申しますと、方法はたった一つしかありません。私がヘッドホンで映画を見ればよいわけです。
というわけで、我が家で今回買い換えた「コードレス・ヘッドホン」について、今日は書きます。

headphone 私が今回購入したコードレス・ヘッドホンは、音響製品に強いビクターが作った名器とも言われるHP-1500。
私が何としても欲しかった5.1chサラウンド対応の優れもののヘッドホンです。

「5.1chサラウンド対応とは何ぞや?」と申しますと、DVDプレーヤーで見る映画の音が、映画館で見るときと同じ大迫力、重低音で「前から後ろから、右から左から、動き回る」実感が得られる音響効果を持つ方式なのであります。
本来、この方式は全部で六つのスピーカーを部屋の中に取り付け、おまけに思いっきり大音量を発しなければ効果が得られなかった代物なのでありますが、我が家のコードレス・ヘッドホンは何と隣家をはじめとして(ついでにわが妻も)誰にもなんらの迷惑をかけないで、DVD映画を存分に大迫力の音声で楽しめる優れものなのであります。
伝送手段は、赤外線を利用したデジタル方式ですので、微妙な音の変化についてもかなり忠実に再現することが可能です。唯一の欠点は、お値段がかなりイクスペンシブなことでありまして、私の購入した製品は、ビックカメラで4万円ぐらいだと思われます。しかし、コードレス・ヘッドホンの価格については、いわゆるピンキリでございまして、高いものは5万円以上いたしますが、安いものは1万円以下で購入できるのです。

私としましては、今のところ、「いい買い物をした」と喜んではおりますが、当然のことながら映像ソフトのほうが5.1chサラウンドで発信してくれないと、サラウンド効果を楽しめないわけでありまして、コードレス・ヘッドホンでいくら一生懸命アナログTV放送を聞いてみても、サラウンド効果が発揮されないのが残念なところなのであります。

この問題も、デジタル放送を受信できる薄型テレビを購入すると解決するらしいのですが・・・・
資本主義の市場原理というものは、かようにしてひとつの購買が次の購買を誘発し、無限に連鎖していく宿命にあるものなのであります。