合理的な愚か者の好奇心

団塊おじさんの "見たぞ! 読んだぞ! 歩いたぞ!"

浪曲へのお誘い

Sautodire988

浪曲がテレビ・ラジオから姿を消してもう何十年になりますやら・・・
この間、根っこでは浪曲ファンの私としましては、今や都内に数少ない「浪曲定席」の「木馬亭」を年に一度程度のぞいてみますものの、惨憺たる客の入りに、浪曲絶滅危惧種入りを本気で心配し始めていた次第です。
今回、およそ1年半ぶりに木馬亭をのぞいた私は、風向きが変わり始めたかもしれない兆しを感じることが出来ました。
まず最初に、都内に数少ない浪曲定席「木馬亭」から説明させてください。定席とは申しましても、集客力の限界からか毎月の月初一週間だけの限定された定席です。昼時2000円の入場料を払えば、夕方まで8人の浪曲をたっぷり聞くことが出来ます。場所は浅草寺のすぐ近く、花やしきの並びです。2階は木馬館で、かつて梅沢富美男などが活躍した大衆演劇のメッカです。上掲番組表をご覧になれば、お気づきのごとく、世間の常識とは反対の価格設定で、25歳以下の若者は半額の1000円という大盤振る舞い。これも番組表を見れば、おわかりになると思われますが、近年女性浪曲師の進出が著しく、出演者の半数以上が女性です。この傾向は近年ますます顕著となっております。
私が一年半ぶりに木馬亭に行って感じたことをいくつか。
まず、観客が明らかに増えています。一年半前は3割の入りだったと思いますが、今回は悠々と6割は埋まっていたと思います。一年半前は9割が年金生活者の男性だったと思いますが、今回は女性が3割と思われます。要するに女性客が多いのです。まっ、女性客と申しましても若い女性は数えるほどなんですが・・・
次に、舞台に新規更新投資をおこなったらしく、スピーカーがかなりよくなっています。前は一応BOSEだけれども音がひどく悪かったし、モノラルだったと思います。舞台の壁も塗り直されてかなりきれいになっています。
それから私が大ファンの国本武春さんが若くしてどうやら浪曲協会の副会長に抜擢されたようで、それも影響しているのかもしれません。国本武春さんはアメリカのアカデミー賞の短編アニメ部門でグランプリをとった「頭山」で、アニメと浪曲とのジョイントを仕掛けた革新的浪曲師であります。この日も中入り前のトリをとっておりました。
もうひとつだけ今回の木馬亭を見てのサプライズ[E:sign03]
新人女性浪曲師、「国本はる乃」にご注目ください。
まだデビューしたてのため、はる乃ちゃんを聴くためには講演開始のお昼の12時半に遅れては聴けません。聴けても、デビューしたての新人のため15分しか聴けません。
しかし、一節聴けば、その違いにすぐ気がつかれるはずです。浪曲界では戦後最大の有望新人と言っていいでしょう。
Sharuno
おまけに花も恥じらう若干19歳[E:sign03]
ご覧のように、すごい美人というわけにはいきませんが、まぁAKBの指原よりはずっとましでしょう[E:sign02]
彼女のうなり節は、都はるみの「好きになった人」を思い出させます。また、彼女の節回しの切れは、氷川きよしのデビュー時代の新しい演歌と同じ種類の新しい浪曲の切れを感じさせます。
みんなで応援致しましょう[E:sign03]